第8回 ジェイ・グレイドン・ドリーム・バンド!!
2007/09/18 10:47 POSTED
ということで今回は、中田が考える、ジェイ・グレイドン・バンド、そのドリーム編成、をお届け致しましょう。
前回も書きましたが、エアプレイではなく、ジェイ・グレイドン・バンドなので、フォスターさん抜きで考えてみたいと思います。
で、まずはヴォーカルから。何人までOKかによって全然、違ってくるわけですが、仮に1人だけだったら....私はナント、ジョセフ・ウィリアムスを推薦しちゃいます。
彼の声って、やっぱりAORなんです、紛れも無く。特に、ジェイさんのソロ作におけるマッチングは特筆すべきものがありましたからね、スローもミディアムも。
音楽的な部分も含めてジェイさんと一番合うのがこのジョセフだと私は確信しています。なので彼はマスト!です。
そして、2番目にお呼びしたいのが、やはり、トミー・ファンダーバーク。
ジェイさんのライヴでエアプレイの曲を演らないわけはない、ならば、本家本元Voice of Airplay、トミー無くして誰が居る? という感じですよね。
トミーはコーラスも完璧ですから絶対に必要でしょう、個人的にも崇拝していますし。
そして3番目のシンガーは、出ました、リチャード・ペイジ!ペイジズの曲、ライヴで聴きたくないですか? 聴きたいに決まってますよね!
なので、ぜひ、ペイジさんにも参加して頂きましょう、って言うだけはタダですから(笑)。
そして4人目はナント、ジェイソン・シェフ。理由は3つあります。まず、ジェイソン=ピーター・セテラに負けないハイ・キー・ヴォーカルが魅力。
ならば、同じくハイ・テナーを売りにしていたクリフ・マグネスのパートをどう歌ってくれるのか、すごく、興味が沸きます。
そうです、ジェイさんの91年のグループ、プラネット3のナンバーをクリフではなくジェイソンに歌ってもらう、これが最初の理由です。
そして2つめは、ジェイソンとジョセフのハーモニー、これぞまさしくL.A.産スタジオ系AORの極めだったりしますから、これも捨て難い、と。
そして3つ目の理由は、ジェイソン、無茶苦茶素晴らしいベーシストなんです。なので、そういった意味でも絶対プラスだな、と。
そして、次が最後です、5人目のヴォーカリストは.....じゃ〜ん、マーク・ジョーダン!ズバリ、大抜擢(?)です。
で、バンド・メンバーというより、中盤にゲスト的に登場して、2曲くらい歌って消えて行く、そんな感じが好いかな、と。
<I’m A Camera>を聴くんだったら、やっぱりご本人の歌で、が、ベストですからね。ということで、言わずと知れたビル・チャンプリンは、今回敢えて外してしまいました。
ステージの花、という意味でも不可欠ですが、ちょいとアーシーな方なので、洗練キッチリ構築系のジェイさんとは合うんだか合わないんだか、未だに解らないんです。なので、実力はピカ1でも今回は見送り、という形になりました。
でも、これがエアプレイとして、だったらやはりお声を掛けずにはいられませんが....。
続いてキーボード。これは、もう、全く迷うこと無く今回もビル・ キャントスにお願いしちゃいます、音楽監督も含めて。
あらゆるジャンルが完璧ですからね、ビルは。そして1〜2曲、リード・ヴォーカルも演って頂くのが好いかな、と。
で、問題はセカンド・キーボード。レコーディングならば絶対にロビー・ブキャナンが好いですし、スティーヴ・ポーカロの再参加、というのもファンには嬉しいところでしょう。
が、しかし、バット、ジェイさんをして「スラッグのコード使いは信じられない(ほど素晴らしい)」と大絶賛なのですから、ここはやはりスティーヴ・ジョージに参加して頂き、リチャード・ペイジと一緒に在りし日のペイジズを再現して欲しい、これしかありません。彼が居れば、あとはジョセフもキーボードを弾きますし、それだけでOKかな、と。
変わってギターですが、これは、スティーヴ・ルカサーだ、マイケル・ランドウだ、ダン・ハフだ、マイケル・トンプソンだ…は、一切考えません。
そうです、ジェイさんより存在感があってはいけないのです、オーラ的にも、運指的にも。
なので、もうこの人しか居ないでしょう、ブルース・ガイチ。一緒に曲を書いたり、親しい間柄であり、かつ、テクニックよりも歌心を重要視する人なので、ジェイさんのサブを安心して任せられる、それが選んだ理由です。唯一、気になるとしたら、ギターの音色ですね。
よりナチュラルなストラト系だったりしますから、これをジェイさん好みのトーンに合わせられれば限りなく完璧に近いコラボレーションが楽しめるはず。
ガイっちゃん以外では大穴でチャールス・イカルス・ジョンソン、なんていうのはどうでしょうか?
これまたペイジズ復活にとって外せないプレイヤーですからね。
そしてリズム隊ですが....本来、ジェイ・グレイドン・バンドの日本公演にはサノ・ケンジさんが必要不可欠となっていました、いろいろな意味で。
で、もちろん、サノさんもありです、ベースは。歌心溢れるプレイヤーなので、ジェイさんバンドにも完璧フィットするな、 と。
ただ、もしジェイソンが参加出来るのでしたら、彼のベースでいきたいですし、あるいは、TOTOの初期を支えたデヴィッド・ハンゲイト、というのも夢があって好いな、と。
ハンゲイトさんのソリッドなトーン、たまりませんからね。となるとドラムスは誰? ジェイソンだったらそのままシカゴのリズム隊で2回目のジェイさんバンド同様トリス・インボーデン、という線が浮上します。全然、悪くないですよね。あと、無難な線ではJR、マニアの心をくすぐるならばエド・グリーン。
でも、おそらく、この人が一番好いでしょう、マイク・ベアード。エアプレイの<Stranded>でポーカロさんばりのタイトなドラミングを披露してくれたあの方です。
もちろん今でもバリバリの現役で、腕は全く衰えていないでしょうから、あの時代のあのフィールを再び届けてくれるのではないでしょうかね? 期待大です。
あ、でも、本音を言うと、沼澤尚さんに参加して頂いて、完璧にジェフさんと同化して欲しい、というのもありますが....。
と以上で全部出揃いました。もちろん、サックスやジェリー・ヘイさんなんかも呼べたら最高でしょうが、とりあえずは過去2回の編成に準じてセレクトしてみましたので、まあ、こんな感じかな...と。
そして、基本的には招聘可能な名前を挙げたつもりです。
特にスラッグ(スティーヴ・ジョージ)にはL.A.に戻って来て欲しいです、生まれ故郷のアリゾナから。
ああ、なんだか、無性にペイジズのCDが聴きたくなって来ました、それも初期の2枚が。
と言うことで、 ジェイ・グレイドン・ドリーム・バンド、それは、夢のまた夢となっているペイジズ再結成の布石でもあるのでした!
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第7回 ジェイ・グレイドン・バンド来日公演
2007/09/03 10:59 POSTED
今回もまたまたジェイさんの話しでいきましょう。
ジェイさんのバンドはこれまでに2回、日本公演を行っています。
1回目が1994年で2回目が1996年。メンバーは1回目がビル・チャンプリン(vo/g/key)、ジョセフ・ウィリアムス(vo)、シャーウッド・ボール(vo/g)、ビル・キャントス(key/vo)、ケンジ・サノ(b)、パット・マステラット(ds)、ジョン・ヴァン・タングレン(key)、スティーヴ・ポーカロ(key)、そして2回目がビル・チャンプリンの替わりにトミー・ファンダーバーク(vo)、ジョン・ヴァン・タングレン&スティーヴ・ポーカロの替わりにジェイ・オリヴァー(key)、パット・マステラットの替わりにトリス・インボーデン(ds)、そして、ネッド・ドヒニー(vo/g)もそこに加わり、といった超豪華な面子でした。
1回目に関しては厳密に言うとさらに3人メンバーがいまして、何れもバック・コーラスを担当。
タマラ・チャンプリン、エイミー・ウィリアムス、ジャネア・チャドウィックという3人なのですが、タマラはビルの、エイミーはジョセフのそれぞれ奥様で、ジャネアは当時のジェイさんのガール・フレンドでした。
つまり! 奥さん(彼女)同伴があり得た、バブリーな公演だった、というわけです。好い時代でしたね。
だって、1人加わる度に顎足枕代、グッと増えるわけですからね。
ちなみに、ジェイ・グレイドンのCDが当時リリースされていたのは、確か、日本、スウェーデン、ドイツの3カ国で、日本公演の後はその足でスウェーデンに行き、そこでもライヴを演ったわけですが、流石に、奥様/彼女陣はそちらには付いて行けず(もちろん、予算の問題でしょう)、その分、メンバーの結束が強まった好いライヴだった、みたいな台詞を耳にした記憶があります。
さて、このジェイ・グレイドン・バンドのライヴですがーー音楽誌「アドリブ」にも今年の初夏に書いているので、ダブってしまうかもしれませんがーーリハが凄かったんです。
もう、そこまでするか、ジェイ・グレイドン! みたいな。
その音楽性からしたら誰もが容易に想像出来ますが、ジェイさんは本当に完璧主義者。リハも2週間ぶっ通し、しかも、皆でキメの振りをするでも何でも無くただただバンドの音合わせを綿密に、完璧に。
で、最初の音合わせまでにジェイさんが当日演奏する曲の音を各人に配付するんですが、それが圧巻! 基本的には2本のカセットが配られた、と想定して下さい。
1本は、それらの曲のいわゆるレコード・ヴァージョン。まずはそれで全体像を掴みます。
そして、もう1本のカセット、これが笑っちゃうんですが、そこには各人のパートのみが収められている、例えば、ビル・キャントスにはキーボードの音、それももちろん、自分が演奏すべきキーボードのパートのみ、ジョン・ヴァン・タングレンにも彼が弾くべきパートの音だけが入っている、という綿密さ。
これって、マルチ・テープが手元にあれば、そこから各パートを抜き出すことは決して難しくないですが、でも、エアプレイのような昔の曲はどうしたんでしょうかね?
実際にテープを渡され学習(?)していったビル・キャントス曰く、昔の曲もそういう風に収められていた、とのこと。
実際にそのテープを聴いてみたかったです、どうやったのだか。
で、ハッキリ言って、キーボードも、コーラスも、自分の役割分担さえ理解すればそれほど難しいものではないですよね、なにしろ、何れもがL.A.のスタジオ・シーンのトップ・クラスに立つセッションマンでもあるわけですから。
耳でコピーも、譜面通り演るも、全く問題ないでしょう。
が、しかし、ひとつ、大きな問題が生じてしまいます。レコードではジェイさんが独りでオーヴァーダブしていた、入魂のギター・ハーモニー・パートの再現です。
ジェイさんが”WireChoir”(弦によるコーラス隊)と呼ぶそのパートをステージで再現すること、それこそがジェイ・グレイドン・バンドのライヴにおけるハイライト、そう考える彼ですから、そこにはそれこそとんでもない時間を掛けたのではないでしょうか?
例えば、ピアノで「C=ド」の音を弾くとしたら、基本的には叩く箇所はひとつだけです(もちろん、オクターヴ、オクターヴで鍵盤の位置は変わりますが)。
が、しかし、ギターで「C」の音を弾く時、それが果たして、5弦の3フレットを押さえた「C」なのか、6弦の8フレットを押さえた「C」なのか、或いは、その1オクターヴ上の「C」を弾く時も、2弦の1フレ、3弦の5フレ、4弦の10フレ、など押さえ方は複数ありますし、さらにチョーキングという、左手で押さえた弦をそのまま上下に持ち上げる(下げる)手法を使えば、今言った「C」も3弦の4フレ、4弦の9フレ、など、また違ったポジションでその音を出すことが可能なわけです。
そして、ポジションの違いによる細かなニュアンスの違い、そこにこそジェイさんの拘りは集約されるわけで、ジェイさんのワイヤー・クワイヤーをレコード通りに再現するにあたっては、ポジショニング、弾き方、これも本家そのままではなくてはならない、そうなるわけです。
で、2回目の来日公演など、その3パートのギター・ハーモニーを、ジェイさん、シャーウッド、そして、ネッドの3人で再現したわけですが、本業がフォーキー・ソウルなSSW:ネッド・ドヒニーに、ジェイ・グレイドンのコピーをさせる、そんな考えられない行為を選択したのですから、これはそれこそかなり大変だった模様。ネッドはハッキリ言って、無茶苦茶ギター巧いと思います。
でも、それはあくまでも、アコギを使って、歌の伴奏を演った時、に最も輝くものであって、エレクトリックで<After The Love Is Gone>のハーモニーを演った時に光るものでは全然無い、という感じですよね。
事実、リハの初期段階では、「こりゃあ無理だ...出来ない....」と諦めムードが漂ったとか....。
しかも、そういった伴奏以外でネッドがフィーチャーされたのはと言うと、これが、彼の書いた名曲<Whatcha Gonna Do For Me>でリード・ヴォーカルをとっただけ、という、これはある意味、非常に勿体ない人選ですよね。
ネッドを参加させたのだったらもう2〜3曲フィーチャーするべきでしたし、歌うのがその1曲だけだったら、それこそ、他に候補に上がったロビー・ネヴィルのほうがよっぽどスムースにワイヤー・クワイヤーを再現させただろうな、と。
彼をフィーチャーして<Someone>(ジェイさんとロビーの共作。エル・デバージがレコーディングし、1986年にスマッシュ・ヒット)なんか演ってくれたら、もう、それこそ涙モノですよね!
それでは、次回は、中田が考える、ジェイ・グレイドン・バンド、そのドリーム編成、をお届け致しましょう。エアプレイではないので、フォスターさんはこの際、入れず、あくまでもジェイ・グレイドン・バンドとしての理想編成に迫ります!
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