アル・ジャロウ / ジャロウ
2007/07/24 10:17 POSTED
元祖人間パーカッション。脅威の4オクターブヴォイス。世界一歌のうまい男。グラミーを何度も受賞したジャズ界の至宝。怪獣鼻モゲラ。
彼を讃える言葉は枚挙にいとまがない。とにかく信じられないヴォーカルテクニックだ、アルちゃんは。ブレスが上手いので、息継ぎをしないで何十小節も歌っているように聞こえるのだ。でも技術だけじゃない。彼の歌はハートが素晴らしい。もし彼の声を聞いたことがない人がいたら即座に聞いて欲しい。人間ってこんなに可能性があるんだ!と、しばし開いた口が塞がらないから。
つい最近リリースされたジョージ・ベンソンとのコラボレーション・アルバムも聞いたが、60を過ぎてもこのオヤジの声は全く衰えていない。っていうか前進してるぞ。「ブリージン」のヴォーカルカヴァーなんて、元曲に勝るとも劣らない秀逸の出来っすよ。
さてそのアル様の極みの1枚が『ジャロウ』だ。危うく動物園のピーアールCDかと思うが、ちゃんとした人間のCD、それも歴史的名盤ですぞ。♪(*’-^)-☆
彼には数多くのアルバムがあるが、AOR的見地からすると、やはりジェイ・グレイドン大先生のプロデュースした『Breakin’ away』か『Jarreau』のどちらかがベストと言わざるを得ない。曲といいアレンジといい共に完璧だからだ!ミュージシャンもスティーヴ・ガッド、ジェフ・ポーカロを始めヨダレ物メンバーばかり。究極の完成品ですな。
よくAORガイド本にでているのは『Breakin’ away』の方だが、俺は『Jarreau』を推す。後者の方がエアプレイ風味が強く、ジャズ・フィーリングが薄いからだ。ジャズ歌手にカテゴライズされるアルの、大ポップス作品だと思う。
デヴィッド・フォスター&ジェイ・グレイドンの一世一代の名曲「モーニン」を筆頭に駄曲は皆無で、ジェイの水も漏らさぬアレンジは見事。俺はこんなアレンジャーになりたい。個人的イチ押し曲は「Save me」。あまりのアートぶりに、ため息しか出ない。あなたもアルの芸術とも言える歌力に酔って欲しい。
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ドナルド・フェイゲン / ナイトフライ
2007/07/04 01:45 POSTED
変人らしいよ、この男。そうだよなあ、顔からして苦い顔だもんな。口なんて歪んでるし。辛口っぽいし、変態的にうるさそうだな、おい。
いきなり罵詈雑言(笑)から入ったが、この男、とんでもない天才だぞ。第2回目のジノ・ヴァネリの時と同様「ミュージシャンから尊敬されるミュージシャン」の代表、それがドナルド・フェイゲン様でござい!
西洋ポップス史上最も斬新で最も玄人受けする(売れたので素人にも受けたがな)バンド『スティーリー・ダン』を解散して、さっさと作ったのが、この「ナイトフライ」。
世界中で、音響さんがサウンド・チェックをする時にこのアルバムを使う可能性が最も高い、という話を聞いたことがある。そう。ハッキリ言って死ぬほど音が良い。俺も人生で数万枚のアルバムを聴いて来たが、1、2を争う音のクオリティだ。
無駄な音が一切なく、楽器の音が突き抜けるように澄み切っている。全ての音が全部簡単に聞き取れるのだ。クールで大人でそして優しい。
もちろん曲が素晴らしいのなんの、25年以上たっても全く古くない。いやむしろ新しい。信じられんよ。名曲の玉手箱と言っても良い。このアルバムの魅力が陰ることは1000年たっても無い。断言する。
アメリカで一番上手いミュージシャンが一世一代の音を奏でていることも素晴らしさの理由だし、エリオット・シャイナーの卓越したミックス技術も大いに関係あるだろう。しかしやはりフェイゲンの音楽に対する執念と天才が、この歴史に残る名盤を創りたもうたのだ。
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